上着が迷子

葬儀
ちょっと前の前のお話

叔父様の死
はるか彼方の
お空へ旅立ち
お別れの
告別式へ
式場へむかって
はるか遠くへ
通夜に出席
コロコロと
お供のスーツケースを引き連れ
勿論
喪服を詰め込んで
喪服は通年四季をとわないタイプ
当然
半袖のワンピース
長袖のジャケット
式場は暖房がガンガンに
効いていて
暖か

スーツとコート
寒の最中
式場までの道のり
ブルブル
それで考えたの
誰でも思いつくこと
極暖のヒートテックの黒
その上に
半袖のワンピース
袖の途中からヒートテックの
長袖がーーーーー
上着脱がないから大丈夫と納得

日本全国へ散らばっていた
親族の再会
何十年ぶりなんだろう
話に華
式の前に
華はまずい
おしゃべり止まんない
従姉妹達の
まるで同窓会
ちょいと自粛

控え室
おー～温かじゃないですか
話して気分高揚
体温上がってきて
近くへそっとジャケットを脱いで
体裁も考えないで
うーーーん
わかんないよ

足元へジャケットたたんで

それからまたまた
お話続行
どれくらい時間過ぎたのでしょう

係りの方が
◯◯時間にと案内

さて上着をーーーーーん
何処
何処
最初に座った場所へ
戻って
首を左に右に
机の下を
首を捻り
腰を曲げて
目をキョロキョロ
畳のお部屋
あれれれ
アライグマの様に
くるくる
アライグマが果たして
探し物してこの様な行動をするの
って思いながら
不安
顔に出でいるだろうな
エ～ーーどこへーいったの
何故ないの
焦っちゃダメ
もーーー焦りバチバチ
身体中から出ているよ
残っている人少なくなって

まさか
この惨めな格好で
参列?はないよ


コート掛けにありませんか?
心配した声が耳に入り

慌てて
アッツ
一着残ってるよ
イヤ
違うよ
おー～ー何で
私のジャケットじゃない


その時
あー私のジャケット
名乗りでてくださった
可愛い若い
独身女性
こんなにお若い方が
ありがたいような
複雑な気分
ほっと胸を
撫で下ろし
さっきまでの焦りまくった
心の動揺をひた隠しに隠し
素敵全開のキラキラ女子の人に
間違えてもらった上着
内心
ウキウキだったかもしれない
ヤッホー
私の元へおかえりなさい
だだこねないでねって
いって聞かさないと

黒
黒
似たもの同士

あってよかった

どこへいっても
ハプニングはつきもの
私の身の回り不思議多い
なんかヘンテコな
オーーーラ出てますか？
聞いてみたほうがいい？

いつも変わってると
総攻撃
だって間違って
着た人でなくって
間違われた
私が変人
偏人扱いっておかしいでしょう

こまったさんですね